心理カウンセラーの資格を取得しても意味がないと言われることがあります。しかし心理カウンセラー関連資格の取得にはたくさんのメリットがあり、取得すると就職・転職面以外での魅力を感じられるでしょう。
本記事では、心理カウンセラーの資格は意味がないと言われる理由と、それに反論する5つの根拠をお伝えします。
目次
心理カウンセラーの資格は意味がない?
心理カウンセラーの資格は意味がないと主張する人もいますが、決してそんなことはありません。資格取得によって就職・転職の確率を高められるだけでなく、自分の自信やストレスマネジメントを向上させたり、家族や友人の悩み相談に乗りやすくなったりといったメリットも感じられます。
くわしくは後述しますが、否定派の人たちは「簡単に取得できるから」「なんとなく怪しいから」といった理由で資格に意味がないと結論付けている様子です。なかには心理カウンセラー資格の理解が浅いまま取得して、思うような効果が得られなかったせいで「意味がない」と言うユーザーもいます。
「心理カウンセラーの資格は意味がない」と言われる5つの理由
心理カウンセラーの資格に疑問を抱かれる理由を5つピックアップします。
<「心理カウンセラーの資格は意味がない」と言われる5つの理由>
- ほとんどが国家資格ではないから
- 資格の合格率が高く取得が容易だから
- 資格がなくても心理カウンセラーを名乗れるから
- 心理カウンセラー=怪しいという偏見を持っている
- 資格商法とスキルアップ資格の区別がついていない
なぜ意味がないと言う人もいるのか、わかりやすく解説しましょう。
①ほとんどが国家資格ではないから
心理カウンセラーの関連資格は「公認心理師」を除きすべて民間資格です。民間資格=社会的評価が低い資格というイメージを持つ人もいるため、取得しても意味がないと言われることがあります。
しかし、民間資格でも厚生労働省のジョブ・カードに記載できる資格は多く、たくさんの人が心理カウンセラーの資格を就職・転職に役立てていることも事実です。ジョブ・カードは職業能力証明のツールとして使われており、求職活動やキャリア形成の切り札になっています。
②資格の合格率が高く取得が容易だから
心理カウンセラーの資格は合格率が高く、誰でも取得できるものばかりなので取得しても意味がないという人もいます。たしかに受験資格がなく合格のハードルが低い資格もありますが、そういった資格はそもそも受験者を落とすためではなく、心理学等への理解を深めるために作られた資格です。
実際は「4年制大学で心理学を専攻していること」「こころ検定2級を取得していること」などを受験資格・申請資格に設定している民間資格は多く存在します。なかには国家資格もあり、決して誰もが簡単に取得できる資格ばかりではありません。
③資格がなくても心理カウンセラーを名乗れるから
心理カウンセラーとして活動するために必須となる資格はありません。無資格でも心理カウンセラーとして働ける可能性があるため、資格取得に時間とお金をかける意味がないと考える人もいます。しかし、実際に就職・転職できるかどうかは別問題であり、資格を持っていたほうが採用される確率が上がるでしょう。
④心理カウンセラー=怪しいという偏見を持っている
心理カウンセラーは怪しいという偏見を持つ人もいます。フィジカルケアと比べてメンタルケアはまだ理解されにくい分野です。精神疾患について「気持ちの問題」という誤った認識を持つ人を減らすためにも、幅広い分野で心理カウンセラーが活躍することが求められています。
⑤資格商法とスキルアップ資格の区別がついていない
一部では資格商法と呼ばれる悪徳な資格ビジネスが横行しています。心理カウンセラー関連資格もこのひとつと誤解されるケースがあり、取得しても意味がないと言われる場合があるのです。
単体では就職に役立てにくい関連資格があることは事実ですが、ステップアップ資格とみなすことができます。取得することでスキルアップ・キャリアアップを目指したり、上級資格への足掛かりにしたりできるため、決して無意味なものではありません。
「心理カウンセラーの資格は意味がある!」と言える5つの根拠
結論として、心理カウンセラーの資格には意味があります。そう言える根拠は以下の5点です。
<心理カウンセラーの資格は意味があると言える5つの理由>
- 自分の自信につながる
- コミュニケーション能力が高まる
- 自分のストレスマネジメントにつながる
- 家族や友人の悩み相談に乗りやすくなる
- 国家資格もある
順番にくわしく解説するので、資格取得がご自身にとって意味のあるものになりそうかチェックしてみましょう。
①自分の自信につながる
資格取得という経験が自信につながり、さまざまなことを吸収する意欲を高めやすくなります。たとえ気軽に取得できる資格だとしても、応募するだけで合格できる資格は存在しません。資格取得に向けて努力した結果、合格という結果を勝ち取ることができれば、大きな成功体験となることでしょう。
②コミュニケーション能力が高まる
心理カウンセラーの資格を取得することで、他者の心理状態への理解度を深めやすくなります。他者の気持ちを感じ取る能力を養うことで、コミュニケーションを高めることもできるでしょう。カウンセリングとは無関係な業務にも役立ちますし、プライベートにも生かせる能力です。
③自分のストレスマネジメントにつながる
資格は仕事のためだけに取得するものではありません。心理カウンセラーの資格を取得することで、自分自身が抱えるストレスとの向き合い方も学べます。メンタルケアの方法を熟知することで、これまでよりも健やかな生活を送りやすくなるでしょう。
また、心理カウンセラーとして働かずとも、保育士や介護医療従事者として知識を生かすことができます。マネジメント職などその他の仕事でも心理カウンセラーの知識・能力を役立てられるため、カウンセリングと無関係の職に就いている方にも資格取得をおすすめできるのです。
④家族や友人の悩み相談に乗りやすくなる
心理カウンセラーの資格を保有していれば、家族や友人の悩み相談にも乗りやすくなるでしょう。専門知識を持っていることが伝われば、相談者は安心感を持って相談しやすくなります。近しい人との絆を深めたり、心に傷を負っている身近な人のメンタルケアに役立ったりすることも、資格を取得する醍醐味です。
⑤国家資格もある
「公認心理師」は国家資格です。民間資格には意味がないというわけではありませんが、国家資格を望む人は国家資格の取得を目指すことができます。難易度の低い民間資格を取得しながら心理カウンセリングに関する知識を深めて、最終的に国家資格を取得するという目標を持ってもよいでしょう。
心理カウンセラーの代表的な資格5選
心理カウンセラーの代表的な資格を5つピックアップします。
<心理カウンセラーの代表的な資格5選>
- 公認心理師(国家資格)
- 臨床心理士
- 認定心理士
- メンタル士心理カウンセラー®
- メンタルケアカウンセラー
それぞれの資格の特徴をお伝えするので、まずはこのなかから自分に合いそうな資格を探してみましょう。
公認心理師(国家資格)
公認心理師は、心理カウンセリングに関する資格において唯一の国家資格です。
【公認心理師の概要表】
資格名 | 公認心理師 |
---|---|
団体名 | 厚生労働省 |
国家・民間 | 国家 |
受験資格 | 4年制大学、もしくは大学院において必要な科目を履修していることなど |
難易度 | やや高い |
費用 | 2万8,700円 |
学習時間 | 約3ヶ月 |
まだ始まって間もない国家資格ですが、社会的信頼度が高い資格を取得したい方におすすめです。令和4年度の合格率は48.3%で、心理カウンセリング関連資格としてはやや高い難易度と評価できるでしょう。4年制大学などで必要な科目を履修している必要があり、認定されると心理査定やカウンセリング、心の健康に関する教育・情報提供活動などを行うことが認められます。
臨床心理士
臨床心理士の資格を取得することで、心理査定技法や面接査定の知識・技能を持ち、正しく活用できる能力を身につけていることを証明できます。
【臨床心理士の概要表】
資格名 | 臨床心理士 |
---|---|
団体名 | 日本臨床心理士資格認定協会 |
国家・民間 | 民間 |
受験資格 | 指定大学院を修了し、所定の条件を満たすことなど |
難易度 | 普通 |
費用 | 申請書類:1,500円資格審査料:3万円 |
学習時間 | 約1~2ヶ月 |
受験資格を満たすためには、指定大学院を修了したうえで、いくつかの所定の条件を満たす必要があります。そのため独学で取得することはできず、難度としては普通~やや高難度の民間資格です。活躍できる舞台は多く、医療や福祉などの現場のほか、刑務所などの司法領域で資格を生かして働く人もいます。
認定心理士
認定心理士は、大学や大学院で心理学を習得したことを示す民間資格です。心理カウンセリングにおける基礎学力と技能を身につけていることを証明できます。
【認定心理士の概要表】
資格名 | 認定心理士 |
---|---|
団体名 | 日本心理学会 |
国家・民間 | 民間 |
受験資格 | 4年制大学、もしくは大学院で所定科目を履修し必要単位を取得する |
難易度 | 普通 |
費用 | 審査料:1万1,000円 認定料:3万円 |
学習時間 | - |
資格試験としてはやや特殊で、改めて受験する必要がありません。4年制大学などを卒業し、必要単位を取得していることを証明すれば交付される資格なので、条件を満たす場合はすぐに申請するとよいでしょう。資格を持つ人は、教育・福祉に関連する仕事や、産業カウンセラーなどの形で活躍しています。
メンタル士心理カウンセラー®
心理カウンセリング関連資格を多く取り扱う日本メディカル心理セラピー協会による資格のひとつです。取得することで、心理学・カウンセリングの知識や技術を持つことを証明できます。
【メンタル士心理カウンセラー®の概要表】
資格名 | メンタル士心理カウンセラー® |
---|---|
団体名 | 日本メディカル心理セラピー協会 |
国家・民間 | 民間 |
受験資格 | ・協会指定の認定教育機関等のカリキュラムを修了すること ・カリキュラム修了後、資格試験に合格すること |
難易度 | 普通 |
費用 | 10,000円 |
学習時間 | 約2ヶ月間 |
日本メディカル心理セラピー協会によって認定されたカリキュラムを受講し、その後資格試験に合格すると資格を取得できます。医療、福祉、教育などあらゆる分野で活躍できる能力を養えることがこの資格を持つメリットです。テキストを見ながら在宅で受験できるため、一般的な試験の雰囲気が苦手な方にも向いています。
メンタルケアカウンセラー
メンタルケア学術学会など3つの団体が認定する民間資格です。心理カウンセリングに関連する資格のなかではもっとも入門的であり、取得のハードルが低い資格と言えます。
【メンタルケアカウンセラーの概要表】
資格名 | メンタルケアカウンセラー |
---|---|
認定団体 | ・メンタルケア学術学会 ・生涯学習開発財団 ・ヘルスケア産業推進財団 |
国家・民間 | 民間 |
受験資格 | とくになし |
難易度 | 低い |
費用 | 5,100円 |
学習時間 | 約3ヶ月間 |
受験資格がなく、通信講座を受けながら添削課題を修了し、修了試験に合格すればメンタルケアカウンセラーを名乗れるようになります。この資格だけで就職・転職を有利にすることは困難ですが、最初に取得する資格として選ぶ人が多く、上位資格取得に向けた基盤づくりにもぴったりです。
まとめ
心理カウンセラーの資格を取っても意味がないという人もいます。しかし、結論から言えば決してそんなことはありません。資格を就職・転職活動に生かしている人は多くいますし、現職でスキルアップしたり、自分自身のメンタルケアをしたりするために心理学を役立てる人もいます。
本記事では、心理カウンセラーの代表的な資格も5つご紹介しました。それぞれ難易度や特徴が異なるので、本当に意味があると感じられる資格を見つけて、取得に向けた努力を重ねましょう。
実際に心理カウンセラーを目指したい方におすすめの通信講座2選
今回は初心者でも在宅でプロの心理カウンセラーを目指せるおすすめの資格通信講座を二つご紹介します。
①「あなたに最適な資格が13種類から見つかる」諒設計アーキテクトラーニング
心理カウンセラーに関する13種類もの資格取得が可能なため、カウンセリングの方向性が明確な方におすすめの講座です。 例えば、子どもや夫婦・家族を相手にした心理カウンセラー資格など対象者に合わせた資格取得講座から、音楽療法が学べるメンタル心理ミュージックアドバイザーなどのカウンセリング方法が異なる資格講座まで幅広く選択することが可能です。 また、試験免除講座や個別指導も準備されているので忙しい方やしっかり学びたい方でも安心して受講できます。
▼詳しくはコチラをクリック
心理カウンセラー資格取得の通信講座
②「女性のための資格通信講座」SARAスクール
日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP)や日本インストラクター技術協会(JIA)認定校のこちらは、『すべての女性は輝ける』をテーマにした”女性のための資格通信講座”で、 心理カウンセラーを目指す女性におすすめです。 また、心理カウンセラー資格では講座を受講し課題を提出するだけで資格取得が可能というプランもあり、安心して受講できるのも魅力の一つ。 完全在宅のみで最短1か月で2つの心理カウンセラー資格が同時に取得できるため、仕事や家事・育児に忙しい方でも取得しやすい環境になっています。
▼詳しくはコチラをクリック
心理カウンセラー資格取得の通信教育講座