心理カウンセラーになるには?資格は意味がない?仕事内容や勉強期間は?

心理カウンセラー 資格 難易度

心理カウンセラーが取得すると便利な資格は多く存在します。それぞれ必要となる経歴や費用、そして難易度が異なりますが、どの資格が取りやすい・取りにくいのでしょうか。

本記事では11つの資格について細かく解説するほか、その他の有力資格についてもわかりやすく紹介します。

目次

心理カウンセラーとは?

心理カウンセラーとは、不安や悩みを抱えている相談者に寄り添い、心の不調から回復させるためのサポートを行う仕事です。日本では20~39歳までの死因第1位を自殺が占めるなど、心の不調は社会問題化しています。心理カウンセラーは、この課題を改善に導ける可能性を秘めた、やりがいある仕事です。

心理カウンセラーの仕事内容

心理カウンセラーの仕事内容は業種や立場によって異なるため一概に断言できません。学校や児童相談所などで子どものケアにあたることもあれば、一般企業に勤めて社員やその家族の相談に乗ることもありますし、公務員として刑務所に勤めて受刑者の更生を促す人もいます。

しかし、他者の悩みや不安を聞き、その気持ちに寄り添い、解決へと導くサポートをするといった原則は同じです。「セラピスト」と混同する人もいますが、積極的にアドバイスをして解決策を伝えるセラピストに対して、心理カウンセラーは自らの意見や主観を押し付けず、傾聴することを基本としています。

心理カウンセラーが活躍できる場所

心理カウンセラーとして活躍する女性

心理カウンセラーが働いている場所はとても多く、代表的なものとしては以下の分野で活躍しています。

<心理カウンセラーが活躍する分野>

  • 医療(病院・クリニックなど)
  • 福祉(高齢者向け施設・児童相談所など)
  • 教育(教育機関など)
  • 産業(民間企業・公的機関など)
  • 司法(刑事施設、少年院など)
  • 研究(大学の心理臨床センター、民間企業など)
  • その他

心理カウンセラーとして向き合う相談者は老若男女さまざまです。人や立場によって悩みや不安の中身は変わるため、就職先の分野によって必要とされる心理カウンセラーの個性が異なります。特定の分野への就職・転職を希望している場合は、専門知識をアピールできる資格の取得を目指しましょう。

心理カウンセラーの需要は多い?

心理カウンセラーの需要は多く、高まり続けている状態です。先述したとおり、日本に住む若者の自殺率は先進国のなかでとくに高いこともあり、教育現場から一般企業まで多くの現場でメンタルケアを行える人材が求められています。非正規雇用で働く心理カウンセラーが多いことも事実ですが、心理カウンセラーは将来性豊かな職業であるといってよいでしょう。

それを証明する根拠のひとつが「公認心理師」の誕生です。心理カウンセラーに関する資格は民間資格のみでしたが、2018年から国家資格である公認心理師資格試験が始まりました。これは政府が国民のメンタルケアに本腰を入れたことの証明であり、心理カウンセラーの需要は伸び続けると予想できます。

心理カウンセリングの方法

心理カウンセリングを受ける女性

心理カウンセリングの方法は、大きく2種類にわかれます。

<心理カウンセリングの方法>

  • 治療的(臨床的)カウンセリング
  • 開発的カウンセリング

それぞれの特徴を解説しましょう。

治療的(臨床的)カウンセリング

相談者が抱えている心の問題が深刻な場合に行うカウンセリングです。具体的には、うつ状態や摂食障害、ひきこもりなどの症状・行動が目に見えて強い場合に行います。この場合、投薬治療などの方針を決めるのはあくまでも医師ですが、心理カウンセラーは医師の指示を受けたり、医師と連携したりしながら相談者をサポートします。

開発的カウンセリング

すぐに治療的カウンセリングを行う必要はないものの、放置すると深刻な症状に発展すると考えられる場合に行うカウンセリングです。主に予防効果を期待して行う方法であり、ストレスや緊張をコントロールするメンタルトレーニングや、成功体験を重ねることで自信をつけるコーチングといったカウンセリングが行われています。

心理カウンセラーが活躍する分野・仕事内容

心理カウンセラーが活躍する主な分野は次のとおりです。

<心理カウンセラーが活躍する分野>

  • 医療(病院・クリニックなど)
  • 福祉(高齢者向け施設・児童相談所など)
  • 教育(教育機関など)
  • 産業(民間企業・公的機関など)
  • 司法(刑事施設、少年院など)
  • 研究(大学の心理臨床センター、民間企業など)
  • その他

分野ごとの仕事内容を簡潔にご紹介しましょう。

医療(病院・クリニックなど)

病院・クリニックの外観

総合病院や心療内科、小児科、産婦人科などで活躍する仕事です。精神科医など専門家と連携し、心理学の療法を生かしながら心理テストや心理面接を行います。必要となる資格は「臨床心理士」などです。

福祉(高齢者向け施設・児童相談所など)

老人保健施設など高齢者向け施設や児童相談所で活躍する仕事です。児童相談所に勤務する児童心理司は、公務員として採用されています。

教育(教育機関など)

小学校や中学校、高等学校をはじめとする教育機関で活躍する仕事です。主に生徒のカウンセリングにあたりますが、教員や保護者のカウンセリングを行うこともあります。自治体により必要となる資格などが異なりますが、原則として「臨床心理士」の資格が必要です。

産業(民間企業・公的機関など)

民間企業・公的機関でのカウンセリング

民間企業や公的機関のカウンセリングルームなどで活躍する仕事です。勤務する企業に勤めている従業員やその家族の心理的なケアを行います。専門的なスタッフとして働くこともあれば、人事担当者が産業カウンセラーを兼任することもある点が特徴的です。

司法(刑事施設、少年院など)

刑務所や家庭裁判所などの刑事施設、もしくは少年院で活躍する仕事です。いずれも行政機関に勤務することになるため、基本的には公務員として働きますが、嘱託職員として外部の民間企業に勤めながら司法領域で活動することもあります。

研究(大学の心理臨床センター、民間企業など)

大学や民間企業の研究施設で活躍する仕事です。大学教授として研究職のかたわら心理カウンセラーとして活動する人もいます。

その他

その他「いのちの電話」をはじめとする電話相談に対応する人や、恋愛カウンセラーなど独自の分野で活躍する人、震災などで心的なダメージを負った人に応対する心理カウンセラーもいます。なかには独立・開業する人もおり、心理カウンセラーとしての働き方は人によってさまざまです。

心理カウンセラーとはそもそも何をする仕事なのでしょうか。心理カウンセラーの仕事内容は勤務先によって大きく異なるため、どのように働きたいのかを整理したうえで、就職先や取得する資格の種類を決める必要があります。

本記事では、心理カウンセラーの年収や将来性、職種別の仕事内容などを解説します。

心理カウンセラーとは何をする仕事?

心理カウンセラーとは、心理学の知識や技能を生かして、悩みや不安を抱える相談者に寄り添う仕事です。セラピストとは違い、積極的に解決策を示唆することはありません。あくまでも相談者自らが解決策を見つけるためのサポートを行い、不調から回復するための手助けをする仕事です。

心理カウンセラーの働き方

心理カウンセラーの働き方は「雇用カウンセラー」と「独立カウンセラー」に分かれます。雇用カウンセラーは一般企業や公的機関に勤務する会社員・公務員です。独立カウンセラーは、個人事業主や会社経営者として活動します。

心理カウンセラーの給料・年収

ブタの貯金箱、電卓と現金

心理カウンセラーの給料・年収は、勤務先や年代などにより大きく異なります。業界全体で見ると、会社勤めの方の場合、平均的な年収は300~400万円前後が相場です。キャリアアップにより年収アップを図れるため、就職後も新しい資格を取得するなどの方法で年収アップを目指すとよいでしょう。

心理カウンセラーの仕事内容を種類別に解説!

心理カウンセラーの具体的な仕事内容を職種別に解説します。

<心理カウンセラーの仕事内容>

  • 教育機関(学校・大学)で働く心理カウンセラーの仕事
  • 医療・保健機関で働く心理カウンセラーの仕事
  • 企業で働く心理カウンセラーの仕事
  • 独立・開業して働く心理カウンセラーの仕事

業務形態や1日の流れについて細かくチェックしていきましょう。

教育機関(学校・大学)で働く心理カウンセラーの仕事

小中学校や大学をはじめとする教育機関では、相談室などで生徒の相談を受けたり、保護者・教職員のカウンセリングを行ったりします。非常勤で働く心理カウンセラーもおり、複数の学校を掛け持ちすることも可能です。1日の流れを見ていきましょう。

<教育機関で働く場合の1日の流れ>

  • 朝・・・出勤して事務作業を行う
  • 昼・・・授業見学など校内を巡回する
  • 夕・・・相談室や保健室でカウンセリングを行う

医療・保健機関で働く心理カウンセラーの仕事

病院やクリニック、保健機関では、精神科や心療内科の医師だけでは見切れない仕事をフォローします。患者さんへのカウンセリングを行うほか、患者さんの家族の相談に乗ったり、医療従事者からの相談に乗ったりすることもある仕事です。1日の流れを見ていきましょう。

<医療・保健機関で働く場合の1日の流れ>

  • 朝・・・出勤してカルテの確認などを行い、カウンセリングを開始する
  • 昼・・・引き続きカウンセリングを行ったり、心理テストを行ったりする
  • 夕・・・カウンセリングなどの内容をまとめて資料の作成・整理などの事務作業を行う

企業で働く心理カウンセラーの仕事

企業に所属する従業員の相談を受けてカウンセリングを行ったり、メンタルに関連するセミナーを実施したりします。産業分野に特化する心理カウンセラーが「産業カウンセラー」、全般を担当する心理カウンセラーが「臨床心理士」です。スケジュールの例を見てみましょう。

<企業で働く場合の1日の流れ>

  • 朝・・・出勤してカウンセリングの予約状況などを確認する
  • 昼・・・カウンセリングを行う
  • 夕・・・記録を作成して担当者に引き渡し、所感を述べる

独立・開業して働く心理カウンセラーの仕事

独立・開業する場合、店舗の立ち上げもしくはオンライン上の業務のいずれかを選びますが、仕事内容はとくに変わりません。所有する資格や得意とする分野に関連する悩みを持つ相談者にカウンセリングを行います。HPやブログの内容を充実させたり、宣伝活動を行ったりすることも仕事のひとつです。

心理カウンセラーの仕事の魅力・やりがい

心理カウンセラーの仕事にやりがいを感じている女性

心理カウンセラーの仕事の魅力は、困っている人の力になれることです。日本では多くの若者が自ら死を選んでいますが、適切なメンタルケアを施すことで、悲劇的な結末を避けられるかもしれません。仕事を通じて個人の人生を好転させたり、社会全体に好影響を与えたりすることで、関わった人から感謝されることをやりがいにする心理カウンセラーが多いです。

心理カウンセラーの仕事の需要・将来性

メンタルヘルスケアの重要性は世界的に高まっています。現在はSNSによる誹謗中傷も目立ち、以前はなかった形で心に傷を負う人も増えました。日本はメンタルヘルスケアで先進国の後れをとっているとする識者も多く、心理カウンセラーの仕事は今後さらに需要が増えるものと予想されます。

心理カウンセラーという職業に資格は必要?未経験でもなれる?

黒板にチョークで書かれたハテナマーク

結論として、心理カウンセラーは資格が必須となる仕事ではありません。そのため未経験でも心理カウンセラーとして働ける可能性はあります。しかし就職・転職を成功させるためには資格を取得したほうが有利です。これから資格取得を目指す方におすすめできる心理職関連の資格は、以下の3つです。

<おすすめできる心理職関連の資格>

  • おすすめの資格①公認心理師
  • おすすめの資格②臨床心理士
  • おすすめの資格③メンタル士心理カウンセラー®

それぞれの特徴をご紹介しましょう。

おすすめの資格①公認心理師

2022年現在、唯一となる国家資格が公認心理師です。

【公認心理師の概要表】

認定団体厚生労働省
独学不可能
取得方法4年制大学、もしくは大学院において必要な科目を履修していることなど
学習時間の目安約3ヶ月
更新の有無なし
資格が生かせる場所医療、福祉、教育現場、企業、司法など

国家資格だけあって権威性があり、民間企業のみならず、刑務所などの司法領域で活躍する心理カウンセラーもいます。ただし4年制大学における専門科目の履修など、受験資格を満たすためのハードルがやや高く、一から勉強して取得するのは難しいでしょう。

おすすめの資格②臨床心理士

民間資格のなかでは権威性が高く、就職に役立てやすい資格です。

【臨床心理士の概要表】

認定団体日本臨床心理士資格認定協会
独学不可能
取得方法指定大学院を修了し、所定の条件を満たすことなど
学習時間の目安1~2ヶ月程度
更新の有無5年ごとに必要
資格が生かせる場所医療、教育、福祉、一般企業、司法など

こちらも医療、教育、福祉から医療領域まで、あらゆる業界で働ける実力があることを示せる資格です。指定大学院を修了することなどが受験資格に記載されているため、一から取得するには時間とお金がかかります。

おすすめの資格③メンタル士心理カウンセラー®

心理学全般の知識、とりわけストレスに関する知識が豊富なことを示せる民間資格です。

【メンタル士心理カウンセラー®の概要表】

認定団体日本メディカル心理セラピー協会
独学可能
取得方法試験において70%以上の評価を獲得する
学習時間の目安約2ヶ月間
更新の有無なし
資格が生かせる場所医療、教育、福祉、一般企業など

こちらは独学も可能な資格なので、これまでに紹介した2つの資格と比べると取得難易度が下がります。まずはひとつ心理職の資格を取得しておきたいという場合は、メンタル士心理カウンセラー®資格にチャレンジするとよいでしょう。

心理カウンセラーに向いている人

心理カウンセラーの女性

心理カウンセラーに向いている人は、以下の項目に該当する人です。

<心理カウンセラーに向いている人の特徴>

  • 誠実な対応ができる人
  • 包容力がある人
  • 他人の気持ちを理解できる人
  • 自分の意見を押し付けない人
  • 先入観や私情に左右されない人
  • コミュニケーション能力が高い人
  • 気持ちの切り替えが上手い人

いくらカウンセリングの技術に長けていたとしても、相談者の心を開くことができなければ適切なカウンセリングを行えません。誠実であることや包容力を持つことなど、人間性が重視されることも心理カウンセラーの特徴です。

また、先入観や私情に流され過ぎず、客観的な判断・回答ができる人も心理カウンセラーに向いています。相談者の年齢や立場、悩みの種類は千差万別で、個々に合った対応が求められるためです。相談者に共感し過ぎるとカウンセラー自身が心に傷を負うこともあるため、気持ちの切り替えが上手い人も心理カウンセラーとしての適性があります。

心理カウンセラーになるにはどうすればいい?

心理カウンセラーになる方法 HOW

心理カウンセラーになるために必要となる共通の資格はありません。ただし、分野・職場ごとに保有しておくと便利な資格や、採用条件として必須となる資格があります。まずは希望する分野・職場を決めておき、それに合った資格取得に向けた勉強を進めるとよいでしょう。

高校卒業後の流れとしては、以下のようなパターンで心理カウンセラーになる人が多く見られます。

<高校卒業から心理カウンセラーになるまでの流れ>

1.高等学校
 ↓
2.大学(短期大学、専門学校)
 ↓
3.カウンセラーに関する資格試験
 ↓
4.職場の採用試験
 ↓
5.心理カウンセラー

「臨床心理士」「公認心理士」など、指定大学院の修了が条件となる資格も一部存在します。この場合、大学などの卒業後に大学院へ入学する必要があり、就職するタイミングが遅れるため注意しましょう。その他にも、以下のような流れで心理カウンセラーになる人もいます。

<心理カウンセラーになるまでのその他の流れ➀>

1.社会人
 ↓
2.カウンセラーに関する資格試験
 ↓
3.内部でのキャリアアップもしくは転職
 ↓
4.心理カウンセラー

<心理カウンセラーになるまでのその他の流れ②>

1.大学
 ↓
2.公務員採用試験
 ↓
3.心理カウンセラー

働きながらでも心理カウンセラーを目指せるため、キャリアアップの手段として資格取得を目指してもよいでしょう。また、福祉や司法といった分野で活躍している心理カウンセラーには公務員が多く、公務員として活動するためには既定の年齢までに公務員採用試験に合格しなければなりません。

心理カウンセラーの年収・給与

給料袋と電卓

心理カウンセラーの年収・給与は職場によって大幅に異なります。そのため一概にはいえませんが、大きく3つのジャンルに分けると平均的な時給・年収は以下のとおりです。


【心理カウンセラーの年収・給与】

職種時給換算年収換算
病院勤務1,500~2,000円300~500万円
一般企業勤務300~400万円
学校勤務3,000~4,000円300~500万円

心理カウンセラーとして働くためには、職場によって必要とされる資格を取得し、採用面接を通過する必要があります。そのため、資格取得からすぐに収入を得られるとは限りません。

後述するとおり将来性のある仕事なものの、現時点では勤務形態が不規則なケースも目立ち、極端な高収入には期待できないというのが実情です。

心理カウンセラーの将来性

先述したとおり、心理カウンセラーは一般企業から司法領域までさまざまな職場で必要とされています。ただし、日本では諸外国と比べて勤務形態が不安定であり、正社員以外の働き方をしている人が多いことが実情です。しかし、将来性には期待できる職業といえるでしょう。

その理由は、日本でもメンタルケア・ヘルスケアの重要性が高まっているためです。かつては「気持ちの問題」で済まされていたことが、現在は専門的なケアが必要な問題として認知されつつあります。心理カウンセラーの需要は将来的にさらに伸びると予想でき、社会的ステータスが上昇する可能性も十分にあるでしょう。

心理カウンセラーの資格を取得しても意味がないと言われることがあります。しかし心理カウンセラー関連資格の取得にはたくさんのメリットがあり、取得すると就職・転職面以外での魅力を感じられるでしょう。

本記事では、心理カウンセラーの資格は意味がないと言われる理由と、それに反論する5つの根拠をお伝えします。

心理カウンセラーの資格は意味がない?

心理カウンセラーの資格は意味がないと主張する人もいますが、決してそんなことはありません。資格取得によって就職・転職の確率を高められるだけでなく、自分の自信やストレスマネジメントを向上させたり、家族や友人の悩み相談に乗りやすくなったりといったメリットも感じられます。

くわしくは後述しますが、否定派の人たちは「簡単に取得できるから」「なんとなく怪しいから」といった理由で資格に意味がないと結論付けている様子です。なかには心理カウンセラー資格の理解が浅いまま取得して、思うような効果が得られなかったせいで「意味がない」と言うユーザーもいます。

「心理カウンセラーの資格は意味がない」と言われる5つの理由

心理カウンセラーの資格について説明するカウンセラー

心理カウンセラーの資格に疑問を抱かれる理由を5つピックアップします。

<「心理カウンセラーの資格は意味がない」と言われる5つの理由>

  1. ほとんどが国家資格ではないから
  2. 資格の合格率が高く取得が容易だから
  3. 資格がなくても心理カウンセラーを名乗れるから
  4. 心理カウンセラー=怪しいという偏見を持っている
  5. 資格商法とスキルアップ資格の区別がついていない

なぜ意味がないと言う人もいるのか、わかりやすく解説しましょう。

①ほとんどが国家資格ではないから

心理カウンセラーの関連資格は「公認心理師」を除きすべて民間資格です。民間資格=社会的評価が低い資格というイメージを持つ人もいるため、取得しても意味がないと言われることがあります。

しかし、民間資格でも厚生労働省のジョブ・カードに記載できる資格は多く、たくさんの人が心理カウンセラーの資格を就職・転職に役立てていることも事実です。ジョブ・カードは職業能力証明のツールとして使われており、求職活動やキャリア形成の切り札になっています。

②資格の合格率が高く取得が容易だから

心理カウンセラーの資格は合格率が高く、誰でも取得できるものばかりなので取得しても意味がないという人もいます。たしかに受験資格がなく合格のハードルが低い資格もありますが、そういった資格はそもそも受験者を落とすためではなく、心理学等への理解を深めるために作られた資格です。

実際は「4年制大学で心理学を専攻していること」「こころ検定2級を取得していること」などを受験資格・申請資格に設定している民間資格は多く存在します。なかには国家資格もあり、決して誰もが簡単に取得できる資格ばかりではありません。

③資格がなくても心理カウンセラーを名乗れるから

バインダーにメモをするカウンセラー

心理カウンセラーとして活動するために必須となる資格はありません。無資格でも心理カウンセラーとして働ける可能性があるため、資格取得に時間とお金をかける意味がないと考える人もいます。しかし、実際に就職・転職できるかどうかは別問題であり、資格を持っていたほうが採用される確率が上がるでしょう。

④心理カウンセラー=怪しいという偏見を持っている

心理カウンセラーは怪しいという偏見を持つ人もいます。フィジカルケアと比べてメンタルケアはまだ理解されにくい分野です。精神疾患について「気持ちの問題」という誤った認識を持つ人を減らすためにも、幅広い分野で心理カウンセラーが活躍することが求められています。

⑤資格商法とスキルアップ資格の区別がついていない

一部では資格商法と呼ばれる悪徳な資格ビジネスが横行しています。心理カウンセラー関連資格もこのひとつと誤解されるケースがあり、取得しても意味がないと言われる場合があるのです。

単体では就職に役立てにくい関連資格があることは事実ですが、ステップアップ資格とみなすことができます。取得することでスキルアップ・キャリアアップを目指したり、上級資格への足掛かりにしたりできるため、決して無意味なものではありません。

「心理カウンセラーの資格は意味がある!」と言える5つの根拠

カウンセラーの資格を紹介する女性

結論として、心理カウンセラーの資格には意味があります。そう言える根拠は以下の5点です。

<心理カウンセラーの資格は意味があると言える5つの理由>

  1. 自分の自信につながる
  2. コミュニケーション能力が高まる
  3. 自分のストレスマネジメントにつながる
  4. 家族や友人の悩み相談に乗りやすくなる
  5. 国家資格もある

順番にくわしく解説するので、資格取得がご自身にとって意味のあるものになりそうかチェックしてみましょう。

①自分の自信につながる

資格取得という経験が自信につながり、さまざまなことを吸収する意欲を高めやすくなります。たとえ気軽に取得できる資格だとしても、応募するだけで合格できる資格は存在しません。資格取得に向けて努力した結果、合格という結果を勝ち取ることができれば、大きな成功体験となることでしょう。

②コミュニケーション能力が高まる

心理カウンセラーの資格を取得することで、他者の心理状態への理解度を深めやすくなります。他者の気持ちを感じ取る能力を養うことで、コミュニケーションを高めることもできるでしょう。カウンセリングとは無関係な業務にも役立ちますし、プライベートにも生かせる能力です。

③自分のストレスマネジメントにつながる

資格は仕事のためだけに取得するものではありません。心理カウンセラーの資格を取得することで、自分自身が抱えるストレスとの向き合い方も学べます。メンタルケアの方法を熟知することで、これまでよりも健やかな生活を送りやすくなるでしょう。

また、心理カウンセラーとして働かずとも、保育士や介護医療従事者として知識を生かすことができます。マネジメント職などその他の仕事でも心理カウンセラーの知識・能力を役立てられるため、カウンセリングと無関係の職に就いている方にも資格取得をおすすめできるのです。

④家族や友人の悩み相談に乗りやすくなる

家族の悩み相談をきく様子

心理カウンセラーの資格を保有していれば、家族や友人の悩み相談にも乗りやすくなるでしょう。専門知識を持っていることが伝われば、相談者は安心感を持って相談しやすくなります。近しい人との絆を深めたり、心に傷を負っている身近な人のメンタルケアに役立ったりすることも、資格を取得する醍醐味です。

⑤国家資格もある

「公認心理師」は国家資格です。民間資格には意味がないというわけではありませんが、国家資格を望む人は国家資格の取得を目指すことができます。難易度の低い民間資格を取得しながら心理カウンセリングに関する知識を深めて、最終的に国家資格を取得するという目標を持ってもよいでしょう。

心理カウンセラーになるには資格取得がおすすめ!

資格の勉強をする人の手元

心理カウンセラーになるには資格取得がおすすめです。心理カウンセラーになるために資格は必須ではありませんが、無資格・未経験のまま心理カウンセラーとしての就職先を見つけることは簡単ではありません。資格取得の方法は、大きく以下の3つにわかれます。

<資格取得の方法>

  • 方法①:専門講座を受講する
  • 方法②:専門学校や大学、大学院で学ぶ
  • 方法③:本などを使って独学で受験勉強をする

それぞれどのようなルートから資格取得を目指すことになるのか、細かく確認しておきましょう。

方法①:専門講座を受講する

もっともスタンダードな方法が専門講座の受講です。通学、もしくは通信で資格試験に向けた専門的な勉強を行い、受験資格の取得や、資格試験の合格を目指します。社会人の方や、その他の勉強に主軸を置いている方の場合は、専門講座を受講して資格取得を目指すとよいでしょう。

心理カウンセラーに関連する資格のなかには、受験資格として「認定講座の修了」を加えているものもあります。こういった条件の資格を取得する場合、専門講座の受講は必須です。専門講座では、受験資格を満たしながら必要な知識を身につけられるため、もっとも効率的な資格取得方法ともいえます。

方法②:専門学校や大学、大学院で学ぶ

専門学校や大学、大学院で心理学などを専攻し、資格試験突破に向けた実力をつける方法です。心理カウンセラー関連の上位資格である「公認心理師」や「臨床心理士」になるためには、経歴に4年制大学や大学院を含まなければなりません。このような受験資格を設ける資格を取得するためには、高度な教育機関で必要課程を学びましょう。

欠点は、社会人にとって一から専門学校・大学・大学院で学び直すのが難しいことです。仮に時間的な余裕があったとしても、入学金や授業料などで数百万円単位の資金を用意しなければなりません。さまざまな余裕がなければ学びにくいことが、この資格取得方法のデメリットです。

方法③:本などを使って独学で受験勉強をする

参考書や専門書を購入し、独学で受験勉強をする方法です。独学なら空いた時間を使って自分のタイミングで行えますし、専門講座を受講したり、大学に入学したりする場合と比べて出費も抑えられます。

しかし、心理カウンセラー関連資格の大半が「専門講座の修了」や「4年制大学で必要課程を学ぶ」といった条件を受験資格に加えています。独学だけでは資格試験に参加すらできないケースが目立ち、取得できる資格はごく一部に限定されることには注意しなければなりません。

心理カウンセラー資格の種類

心理カウンセラー資格について調べる

心理カウンセラー資格の種類は4つのパターンにわかれます。

<心理カウンセラー資格の種類>

  1. 国家資格
  2. 大学院などを卒業した後に取得する民間資格
  3. 通学講座で取得できる民間資格
  4. 通信講座で取得できる民間資格

それぞれの特徴を見ていきましょう。

①国家資格

「認定心理師」が心理カウンセラー資格のなかで唯一の国家資格です。これは比較的新しい資格であり、2018年にはじめての国家試験が行われました。誰もが受験できるわけではなく、4年制大学で指定された科目を修了するといった受験資格が設定されています。

②大学院などを卒業した後に取得する民間資格

心理カウンセラー資格のなかには、大学院などで指定科目を修了するなどの受験資格を設けているものが多くあります。そのため、希望する資格の種類によっては、資格試験を受験するためにまず大学院などを卒業しなければなりません。

③通学講座で取得できる民間資格

通学講座を受講して、民間資格の受験資格を獲得する学び方です。たとえば心理系の専門学校などに通います。座学以外にも実践的なカリキュラムを組んでいる場合が多く、就職時には即戦力としての能力を備えられるでしょう。

④通信講座で取得できる民間資格

通信講座で民間資格を取得する方法です。テキストやCD、DVDなどを使って学ぶことが基本で、就職・転職支援や、質問への回答を行っている通信講座もあります。通学する必要がないため、社会人の方でも資格を取得しやすいことや、通学講座と比べてコストパフォーマンスが高いことがメリットです。

取得する心理カウンセラー資格の種類はどう選ぶ?

カウンセラー資格の種類を調べる女性

心理カウンセラー資格の種類選びで迷ったときは、以下の点に注目しましょう。

<取得する心理カウンセラー資格の選び方>

  • いまの仕事に役立つ資格を選ぶ
  • 家族や自分自身の生活に役立つ資格を選ぶ
  • 興味を持った資格を選ぶ

それぞれのポイントをわかりやすく解説します。なお、取得する資格を1つだけに絞る必要はありません。複数の資格を取得することで専門性をさらに高められます。必要と感じた資格や興味のある資格を複数見つけたら、優先順位を定めたうえで、順番に複数の資格取得を目指してもよいでしょう。

いまの仕事に役立つ資格を選ぶ

心理カウンセラー資格を取得すると、現職のキャリアアップにつながる場合があります。相手の心理状態の理解度が深まるため、とくに営業や人事などの仕事に役立てやすいでしょう。いまの業種や職種、あるいは立場からマッチする資格を選ぶのが最初のポイントです。

家族や自分自身の生活に役立つ資格を選ぶ

家族と談笑する夫婦

心理カウンセラー資格は、家族や自分自身のために役立てることもできます。悩みを抱えている家族や友達の相談に乗ったり、セルフカウンセリングをしたりする際にも、資格取得を通じて得た知識と経験が役立るのです。仕事を度外視して、人生を豊かにできる資格を見つけてもよいでしょう。

興味を持った資格を選ぶ

興味は1番の原動力になります。勉強そのものを楽しめるような資格ならば、勉強時間が限られていたとしてもたくさんの物事を吸収できるでしょう。すぐに役立てられるかどうかは別として、まずは興味を持った資格の取得にチャレンジすることもおすすめできます。

代表的な心理カウンセラー資格の種類

資格の勉強をする女性

代表的な心理カウンセラー資格を12種類ご紹介します。

<代表的な心理カウンセラー資格の種類>

  • 公認心理師
  • 臨床心理士
  • 認定心理士
  • メンタル士心理カウンセラー®
  • メンタル心理カウンセラー
  • メンタルケアカウンセラー
  • メンタルケア心理士
  • チャイルドカウンセラー
  • 家族療法カウンセラー
  • キャリアカウンセラー
  • EAPメンタルヘルスカウンセラー
  • NLPプラクティショナー

それぞれの特徴を解説するので、自分に合った資格を見つけてみましょう。

公認心理師

2022年現在、心理カウンセラー資格としては唯一の国家資格です。

【公認心理師の概要表】

資格名公認心理師
団体名厚生労働省
国家・民間国家
受験資格4年制大学もしくは大学院において、必要な科目を履修していることなど
通信のみの取得不可能
難易度やや高い
費用2万8,700円
学習時間の目安約4〜5ヶ月

心理査定やカウンセリング、心の健康に関する教育や情報提供活動が可能な能力を有することを証明できます。国家試験そのものの合格率は例年約50%前後を推移していますが、受験資格はやや厳しい設定です。4年制大学などの卒業が必要なため、通信講座のみでは資格を取得できません。

臨床心理士

心理査定技法や面接査定の基礎知識、そして技能にたけていることを証明できます。公認心理師の誕生以前は心理カウンセラー資格としてもっとも権威性が高い資格として知られていた民間資格です。

【臨床心理士の概要表】

資格名臨床心理士
団体名日本臨床心理士資格認定協会
国家・民間民間
受験資格指定大学院を修了し、所定の条件を満たすことなど
通信のみの取得不可能
難易度普通
費用申請書類:1,500円
資格審査料:3万円
学習時間の目安約1~2ヶ月

臨床心理士になるためには、指定大学院を修了したうえで、いくつかの所定の条件を満たさなければなりません。そのため通信講座のみで資格を取得することは不可能です。就職先・転職先は医療現場が中心となりますが、需要は高く、民間企業や司法領域で働く有資格者もいます。

認定心理士

大学や大学院で心理学を専攻していた人が取得する民間資格です。基礎学力と技能の両面を身につけていることを証明できます。

【認定心理士の概要表】

資格名認定心理士
団体名日本心理学会
国家・民間民間
受験資格4年制大学もしくは大学院で所定科目を履修し、必要単位を取得する
通信のみの取得不可能
難易度普通
費用審査料:1万1,000円
認定料:3万円
学習時間の目安

4年制大学や大学院で所定科目を履修・単位取得後に日本心理学会に申請し、認められると資格が与えられます。そのため、改めて資格試験にチャレンジしなくても資格を取得できることがメリットです。過去に学んだことを心理職へ生かせることを可視化でき、教育・福祉・産業といった分野を中心に資格を生かせます。

メンタル士心理カウンセラー®

メンタル士心理カウンセラー®

心理学だけでなく、カウンセリングに関する知識・技能を持つことも証明できる民間資格です。

【メンタル士心理カウンセラー®の概要表】

資格名メンタル士心理カウンセラー®
団体名日本能力開発推進協会
国家・民間民間
受験資格・協会指定の認定教育機関等のカリキュラムを修了すること
・カリキュラム修了後、資格試験に合格すること
通信のみの取得可能
難易度普通
費用5,600円
学習時間の目安約2ヶ月間

カウンセリングを実践できる能力をアピールできる資格なので、医療や福祉、教育、産業など多くの人に間セリングを行う業種に就職・転職する人が目立ちます。協会が指定するカリキュラムの修了後、資格試験に合格すると取得できるため、通信講座のみでも取得を目指せる資格です。

メンタル心理カウンセラー

心理カウンセリングの基礎を把握していることを証明できる資格です。

【メンタル心理カウンセラーの概要表】

資格名メンタル心理カウンセラー
団体名日本能力開発推進協会
国家・民間民間
受験資格・協会指定の認定教育機関等のカリキュラムを修了すること
・カリキュラム修了後、資格試験に合格すること
通信のみの取得可能
難易度低い
費用受験料:5,600円
学習時間の目安約2ヶ月間

指定されたカリキュラムを修了し、資格試験に合格すると取得できます。この資格だけで就職・転職を果たすのは困難ですが、いまの職場や家族・自分自身のために生かしたり、より難易度の高い資格取得に向けた地盤固めに使ったり、独立開業のための第一歩として取得したりするとよいでしょう。

メンタルケアカウンセラー

後述するメンタルケア心理士の下位互換に相当する、難易度が低い入門的な民間資格です。

【メンタルケアカウンセラーの概要表】

資格名メンタルケアカウンセラー
団体名・メンタルケア学術学会
・生涯学習開発財団
・ヘルスケア産業推進財団
国家・民間民間
受験資格とくになし
通信のみの取得可能
難易度低い
費用5,100円
学習時間の目安約3ヶ月間

通信講座などで学びながらレポートの提出と修了試験の受験を行い、合格することで取得できる資格です。もっとも入門的な資格であるため、心理学に関する基礎知識を身につけたい場合に取得するとよいでしょう。勉強によって得た知識をすぐ役立てられることがメリットです。

メンタルケア心理士

先述したメンタルケアカウンセラーの上位互換となる民間資格です。

【メンタルケア心理士の概要表】

資格名メンタルケア心理士
団体名・メンタルケア学術学会
・生涯学習開発財団
・ヘルスケア産業推進財団
国家・民間民間
受験資格・こころ検定2級に合格すること
・メンタルケア学術学会指定教育機関で教育課程を修了すること
もしくは
・認定心理士等の資格を保有していること
通信のみの取得可能
難易度普通
費用5,600円
学習時間の目安約4ヶ月間

難易度が高くなることと引き換えに、取得することにより公共機関で働くチャンスも巡ってきやすくなります。「こころ検定2級」への合格が受験資格ですが、これは通信講座のみでも取得できる資格ですから、時間をかければ社会人の方でも働きながらメンタルケア心理専門士になれます。

チャイルドカウンセラー

チャイルドカウンセラー

児童心理に関する専門家であることを証明できる民間資格です。

【チャイルドカウンセラーの概要表】

資格名チャイルドカウンセラー
認定団体日本能力開発推進協会
国家・民間民間
受験資格・協会指定の認定教育機関等のカリキュラムを修了すること
・カリキュラム修了後、資格試験に合格すること
通信のみの取得可能
難易度普通
費用5,600円
学習時間の目安約4ヶ月間

主に不登校、校内暴力、いじめといった問題解決のスペシャリストとして活動します。そのため就職先・転職先は教育、福祉、医療現場などが中心です。実務経験や学歴は問われないため、通信のみでも資格を取得できます。

家族療法カウンセラー

家族関係を向上させる専門家が持つ民間資格です。

【家族療法カウンセラーの概要表】

資格名家族療法カウンセラー
認定団体日本能力開発推進協会
国家・民間民間
受験資格・協会指定の認定教育機関等のカリキュラムを修了すること
・カリキュラム修了後、資格試験に合格すること
通信のみの取得可能
難易度普通
費用5,600円
学習時間の目安約4ヶ月間

相談者だけでなく、その家族を対象とするカウンセリングを行います。個人の精神状態や問題行動は、家族関係などの関係性から生じるものと考えた特別なカウンセリング理論を用いる資格です。通信のみでも資格を取得できます。

キャリアカウンセラー

個人のキャリアに関するサポートを行い、よりよい将来へと導く民間資格です。

【キャリアカウンセラーの概要表】

資格名キャリアカウンセラー
認定団体日本能力開発推進協会
国家・民間民間
受験資格・協会指定の認定教育機関等のカリキュラムを修了すること
・カリキュラム修了後、資格試験に合格すること
通信のみの取得可能
難易度普通
費用5,600円
学習時間の目安約1~2ヶ月

資格取得に向けて必要な能力・知識には「人事労務管理」や「労働法規」などがあります。相談者の個性を見極めながら最適なキャリア形成をサポートする仕事に就くことが多く、一般企業のほか、教育現場において進路指導をする有資格者もいます。

EAPメンタルヘルスカウンセラー

EAPメンタルヘルスカウンセラーによるカウンセリング

EAPとメンタルヘルス分野における総合カウンセラー資格として、日本で最初に誕生した民間資格です。

【EAPメンタルヘルスカウンセラーの概要】

資格名EAPメンタルヘルスカウンセラー
認定団体EAPメンタルヘルスカウンセリング協会
国家・民間民間
受験資格・指定された検定試験や検定資格に合格していること
または
・検定試験合格+産業保健分野の実務経験が2年以上あること
もしくは
・実務経験が5年以上あること
通信のみの取得可能
難易度やや高い
費用1次試験:1万1,000円
2次試験:2万7,500円
学習時間の目安約2~3ヶ月

メンタル不調の予防や早期発見、メンタル不調を抱える人へのメンタルヘルスカウンセリングを行います。主な職場は医療機関、行政・自治体、地域・教育機関までさまざまです。受験資格のハードルが高く、高度な資格取得や実務経験が求められます。

NLPプラクティショナー

「脳と心の取扱説明書」とも呼ばれる、新しい心理学を生かした民間資格です。

【NLPプラクティショナーの概要表】

資格名NLPプラクティショナー
認定団体日本NLP協会
国家・民間民間
受験資格・認定トレーナーが開催する認定コースに合格すること
または
・NLPトレーナーの基準をクリアすること
通信のみの取得可能
難易度普通
費用受講料:30~40万円
学習時間の目安約1~2ヶ月

「人生で最高の結果を出す」ことを目的に、他者とのコミュニケーション・自分とのコミュニケーション・セルフイメージの向上など5分野を学べます。認定コースを進めることで資格を取得できる仕組みであり、資格試験などは行われていません。

心理カウンセラー関連の主要資格

心理カウンセラー関連の主要資格を特徴とともにまとめました。

【心理カウンセラー関連の主要資格一覧表】

名称 概要
公認心理師 心理職における唯一の国家資格
臨床心理士 臨床心理学にもとづく知識や技術を用いる「心の専門家」
心理判定員 公的機関で子どもや障がい者を心理学的にサポートする
認定心理士 4年制大学で心理学の基礎知識・技術を習得したことを証明する
学校心理士 子どもや保護者、教職員に対する心理的ケアを行う
臨床発達心理士 発達心理学を基礎とした、人の健やかな育ちを支援する専門家
ユング派分析家国際資格 ユング心理学を習得したことを証明する難関資格
メンタル士心理カウンセラー® 人間関係やストレスによる悩みを解消させる専門家
その他民間資格 メンタルケアカウンセラー、行動心理カウンセラー、チャイルド心理カウンセラー、子供心理カウンセラー、行動心理士、チャイルドカウンセラーなど

本記事では、上記「その他民間資格」を除く11つの資格の難易度について、あらゆる点から解説します。

公認心理師

公認心理師は、心理職における唯一の国家資格です。受験資格を満たすためには4年制大学で指定科目を履修する必要があり、権威性の高い資格として知られています。就職先として選べる分野も幅広く、医療から教育、福祉、一般企業、そして刑務所などの司法領域で働く人もいます。

【公認心理師】取得に必要な経歴と平均的な勉強期間(難易度)

公認心理師の取得に必要な経歴と平均的な勉強期間、難易度は以下のとおりです。

【公認心理師の概要】

必要な経歴 4年制大学で必要科目を履修など
平均的な勉強時間 4~5ヶ月
難易度(5段階) ★★★

4年制大学などで学ばなければ受験資格を取得できないこと、権威性のある国家資格のため、難易度は普通~やや高めと評価します。

【公認心理師】取得に必要な費用

公認心理師取得にかかる費用の概算は以下のとおりです。

【公認心理師の概要】

経歴取得にかかる費用 学費:約300~400万円
試験にかかる費用 手数料:2万8,700円
登録料:7,200円
免許税:1万5,000円
トータルの費用 305~405万円

大学の学費のほか、試験の手数料・登録料・登録免許税が必要になります。

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臨床心理士

臨床心理士が医療機関で働く様子

臨床心理士は、心理職における民間資格のなかではもっとも権威性が高く、広く認知されています。企業や公的機関からの信頼を得やすいため、一般企業のみならず、医療・教育といった分野でも活躍しやすいでしょう。

【臨床心理士】取得に必要な経歴と平均的な勉強期間(難易度)

臨床心理士取得に必要な経歴などは以下のとおりです。

【臨床心理士の概要】

必要な経歴 4年制大学を卒業し、指定大学院を修了すること
平均的な勉強時間 約1~2ヶ月(180時間前後)
難易度(5段階) ★★

大学院は通信過程でも認められ、試験内容も高難度とはいえないため、公認心理師と比べてやや難易度が下がります。

【臨床心理士】取得に必要な費用

臨床心理士取得までにかかる費用の目安をまとめます。

【臨床心理士の概要】

経歴取得にかかる費用 学費:約400~500万円
試験にかかる費用 審査費用:3万円
登録料:5万円
トータルの費用 約408~508万円

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心理判定員

廊下に置かれた車いす

児童相談所をはじめとする公的機関に勤め、子どもや障がい者をサポートする仕事です。公務員として採用されるため、心理カウンセラーとして働きながら安定した収入を得られます。

【心理判定員】取得に必要な経歴と平均的な勉強期間(難易度)

資格取得に必要な経歴と勉強時間の目安は以下のとおりです。

【心理判定員の概要】

必要な経歴 地方公務員上級に合格すること
平均的な勉強時間 7~12ヶ月(1,000~1,500時間前後)
難易度(5段階) ★★★★

前提条件となる地方公務員上級試験が難関であるため、必然的に難易度が高くなります。

【心理判定員】取得に必要な費用

資格取得に必要な費用の相場をまとめます。

【心理判定員の概要】

経歴取得にかかる費用 講座の受講:20~30万円
試験にかかる費用 受験料:0円
トータルの費用 20~30万円

ただし、就職を有利にするためには「臨床心理士」などの資格が必要です。これを取得するための費用として別途400~500万円ほどがかかる場合があるため注意しましょう。

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認定心理士

認定心理士が福祉施設で働く様子

心理学の標準的な基礎学力と技能を有していることを証明する資格です。福祉や教育といった現場で働く人が多く、資格を取得することで児童養護施設から教育現場の非常勤講師まで職業の選択肢が増えます。

【認定心理士】取得に必要な経歴と平均的な勉強期間(難易度)

資格取得に必要な経歴や、勉強期間の目安は次のとおりです。

【認定心理士の概要】

必要な経歴 4年制大学を卒業すること
平均的な勉強時間 約1~2ヶ月(180時間前後)
難易度(5段階) ★★

大学卒業が条件ですが、通信制大学の卒業も認められるため、難易度はやや低めです。

【認定心理士】取得に必要な費用

認定心理士取得に必要な費用は以下のとおりです。

【認定心理士の概要】

経歴取得にかかる費用 学費:100~300万円
試験にかかる費用
トータルの費用 100~300万円

必要単位を取得すると試験不要で資格を得られるため、試験にかかる費用はありません。学費の幅が広い理由は通信制と全日制の違いであり、通信制なら100万円程度の学費で卒業できる可能性があります。

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学校心理士

学校の校舎 桜の木

生徒から保護者、そして教師まで、学校に関連するすべての人に心理的な支援を行う仕事です。就職先は原則として教育機関に限られますが、スクールカウンセラーとして働きたい人などはこの資格を取得するとよいでしょう。

【学校心理士】取得に必要な経歴と平均的な勉強期間(難易度)

学校心理士取得に必要な経歴や勉強時間は次のとおりです。

【学校心理士の概要】

必要な経歴 大学院修了かつ5年以上の実務経験など
平均的な勉強時間 約1~2ヶ月(180時間前後)
難易度(5段階) ★★★

必要な勉強時間は平均的ですが、実務経験が必要となるため難易度は高めです。

【学校心理士】取得に必要な費用

資格取得に必要な費用をまとめます。

【学校心理士の概要】

経歴取得にかかる費用 学費:300~400万円
試験にかかる費用 審査料:3万3,000円
登録料:2万円
会費:3万円
トータルの費用 310~410万円

なお、この資格は5年ごとの更新制であり、更新の度に新しく回避の支払いが必要です。

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臨床発達心理士

発達心理学を基盤として、ひきこもりや不登校、家庭内暴力など子どもにまつわる問題を解消させることを目的とした資格です。保健所や児童相談所の職員として働く人がいるほか、幼稚園などの教育機関や高齢者向け施設などに就職するチャンスを広げられます。

【臨床発達心理士】取得に必要な経歴と平均的な勉強期間(難易度)

必要な経歴や勉強時間の目安などは以下のとおりです。

【臨床発達心理士の概要】

必要な経歴 発達心理学に関する大学院修了もしくは4年以上の臨床経験
平均的な勉強時間 約2~3ヶ月(220時間前後)
難易度(5段階) ★★★

受験資格が厳しいため、難易度はやや高めの資格です。

【臨床発達心理士】取得に必要な費用

費用に関する目安も表にまとめてみましょう。

【臨床発達心理士の概要】

経歴取得にかかる費用 学費:400~500万円
試験にかかる費用 審査料:3万2,616円
登録料:1万2,150円
年会費:1万円
トータルの費用 405~505万円

資格は5年ごとに更新が必要で、更新審査料として2万20円がかかります。

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ユング派分析家国際資格

ユング派分析家国際資格を持つ女性

心理関連資格のなかで最難関とされます。日本人の資格取得者は、2022年時点でわずか48名しかいません。ユング心理学をマスターしたことを証明でき、取得するとあらゆる分野への就職・転職を実現させやすくなるでしょう。

【ユング派分析家国際資格】取得に必要な経歴と平均的な勉強期間(難易度)

難易度に関する情報は以下のとおりです。

【ユング派分析家国際資格の概要】

必要な経歴 ・大学院修士号以上の学歴や、社会経験等を持つこと
・分析家候補生として2年以上在籍すること
・資格候補生として2年以上在籍すること
・当資格の有資格者から300時間以上の教育分析を受けること
・最低300時間のコントロールケースを行うこと
・最低80時間以上のスーパービジョンを受けること
・最低60回以上の症例検討会に出席すること
平均的な勉強時間 2年以上
難易度(5段階) ★★★★★

必要な経歴がとても多いうえに高難度のため、資格取得は至難の業といえます。

【ユング派分析家国際資格】取得に必要な費用

資格取得に必要な費用は以下のとおりです。

【ユング派分析家国際資格の概要】

経歴取得にかかる費用 学費:300~400万円
その他経歴:550~600万円
試験にかかる費用 年会費:約5万円
トータルの費用 850~1,000万円

学費のほか、有資格者からの指導を受けるために高額な費用がかかるため、トータルの費用は1,000万円を超えることもあります。

メンタル士心理カウンセラー®

心理学の基礎を習得できていることを示す資格です。初歩的な資格ではありますが、更新の必要はなく、一生ものの資格として生かすことができます。取得することでカウンセラーやソーシャルワーカーとして活動できる可能性があるほか、身近な人の相談にも乗りやすくなるでしょう。

【メンタル士心理カウンセラー®】取得に必要な経歴と平均的な勉強期間(難易度)

資格取得の難易度についてまとめます。

【メンタル士心理カウンセラー®の概要】

必要な経歴 指定された教育機関でカリキュラムを修了すること
平均的な勉強時間 約2ヶ月間(180時間前後)
難易度(5段階)

テキストを見ながら試験を受けられることもあり、難易度は低めです。

【メンタル士心理カウンセラー®】取得に必要な費用

資格取得に必要な費用は次のとおりです。

【メンタル士心理カウンセラー®の概要】

経歴取得にかかる費用 受講費用:3~4万円
試験にかかる費用 5,600円
トータルの費用 3万5,600~4万5,600円

学歴などは問われず、安価で取得しやすい資格といえます。

メンタル心理インストラクター

「日本インストラクター技術協会(JIA)」主催の「メンタル心理インストラクター」は、カウンセリングのテクニックや心理学に関する知識に加え、チーム医療・地域精神医療などの医療に関する知識を身につけられる資格です。
資格取得後は身につけたさまざまな知識を生かし、講師活動ができます。

【メンタル心理インストラクター】取得に必要な経歴と平均的な勉強期間(難易度)

メンタル心理インストラクターの取得に必要な経歴と平均的な勉強期間、難易度は以下のとおりです。

【メンタル心理インストラクターの概要】

必要な経歴 特になし
平均的な勉強時間 2~4ヶ月
難易度(5段階)

難易度は普通~やや低め評価します。

【メンタル心理インストラクター】取得に必要な費用

公認心理師取得にかかる費用の概算は以下のとおりです。

【メンタル心理インストラクターの概要】

経歴取得にかかる費用 学費:通信講座で約5~7万円
試験にかかる費用 受験料:1万0,000円
トータルの費用 6~8万円

合格カードや賞状が必要な方は別途料金が発生致します。

ケアストレスカウンセラー

「一般財団法人職業技能振興会」が認定する「ケアストレスカウンセラー」は、メンタルに関する基礎的な部分を習得する資格です。資格取得後は、実技研修を受講することでスキルアップが望めます。
資格取得した方の中には、研修後さらに知識を増やしてカウンセリングルームを開業した方、ボランティア活動で役立てている方などがいらっしゃいます。
より専門的な知識を身につけられる「青少年ケアストレスカウンセラー」「高齢者ケアストレスカウンセラー」「企業中間管理職ケアストレスカウンセラー」の資格取得を目指すのもよいでしょう。

【ケアストレスカウンセラー】取得に必要な経歴と平均的な勉強期間(難易度)

ケアストレスカウンセラーの取得に必要な経歴と平均的な勉強期間、難易度は以下のとおりです。

【ケアストレスカウンセラーの概要】

必要な経歴 18歳以上
平均的な勉強時間 4~5ヶ月
難易度(5段階) ★★

WEB試験(CBT形式)※全国220会場以上

【ケアストレスカウンセラー】取得に必要な費用

ケアストレスカウンセラーにかかる費用の概算は以下のとおりです。

【ケアストレスカウンセラーの概要】

経歴取得にかかる費用 学費:約6~10万円
試験にかかる費用 受験料:1万0,000円
トータルの費用 7~11万円

正答率70%以上

産業カウンセラー

「一般社団法人日本産業カウンセラー協会」が認定している資格が「産業カウンセラー」です。
カウンセリングの基本である「傾聴」の技法を習得し、労働者の心のケアを行うことを目的としています。
日本産業カウンセラー協会主催の養成講座を受講した方が受験資格を得られます。
講座は全国で開催されており、6ヵ月もしくは10ヵ月コースから選択可能です。
試験合格後は、協会に登録を行うことで「産業カウンセラー」を名乗れます。
ただし5年ごとに資格の更新が必要です。

【産業カウンセラー】取得に必要な経歴と平均的な勉強期間(難易度)

産業カウンセラーの取得に必要な経歴と平均的な勉強期間、難易度は以下のとおりです。

【産業カウンセラーの概要】

必要な経歴 20歳以上で産業カウンセラー養成講座を受講・修了した者など
平均的な勉強時間 4~5ヶ月
難易度(5段階) ★★

学科試験・実技試験

【産業カウンセラー】取得に必要な費用

産業カウンセラー取得にかかる費用の概算は以下のとおりです。

【産業カウンセラーの概要】

経歴取得にかかる費用 学費:約9~12万円
試験にかかる費用 受験料:3万1,500円
トータルの費用 12~16万円

(学科試験:10,500円、実技試験:21,000円)

その他民間資格

その他の民間資格には以下のようなものがあります。

【その他民間資格の概要】

名称 概要
行動心理カウンセラー 日本メディカル心理セラピー協会が取り扱う資格
チャイルド心理カウンセラー 子供の心理のための資格
子供心理カウンセラー 日本インストラクター技術協会が取り扱う資格
メンタル心理カウンセラー 一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が主催する資格
メンタルケアカウンセラー 心理学の基礎知識と円滑なコミュニケーション能力を示せる
行動心理士 人間の行動・思考を理解し、優れた対人能力を証明できる
チャイルドカウンセラー 医療、教育、福祉などで活躍する児童心理の専門家
幼児心理アドバイザー 子どもの心と体の発達や、養育者の心にも寄り添える資格
メンタルケア心理士 厚生労働省が発行する「ジョブ・カード」に記載できる資格なので、取得すると就職・転職に有利でしょう。
うつ病アドバイザー うつ病の相談者や、その家族を支援するスペシャリスト

このなかでとくにおすすめなのは、比較的難度が低い反面、評価されやすいメンタルケアカウンセラーです。

メンタル心理カウンセラー資格の取り方・難易度は?認定講座での学習や独学について解説

メンタル心理カウンセラーの資格は独学で取れる?難易度や勉強法をご紹介

心理カウンセラー関連資格の難易度

HARD、Normal、EASY

ここまでにご紹介した資格を、費用・必要時間・試験難易度を加味して難しい順に並べます。

【主な関連資格<難易度順>】

難易度 資格名
1 ユング派分析家国際資格
2 心理判定員
3 臨床発達心理士
4 学校心理士
5 公認心理師
6 臨床心理士
7 認定心理士
8 メンタル士心理カウンセラー®

難易度の低い資格について、取得しやすいからといって権威性が低いわけではありません。資格を取得しやすいということは、それだけ早く資格を生かして働けるということでもあります。人々の役に立ちたいと思ったとき、すぐに実行に移せる点が難易度の低い資格の魅力です。

専門学校卒業で心理カウンセラーになれる?メリットや注意点、取得できる資格もご紹介

心理カウンセラー向けの民間資格のなかで、入門用として取得する人が多いのが「メンタル心理カウンセラー資格」です。

本記事では、当資格の取り方・流れや資格講座・資格試験の内容、そして難易度などについて解説します。関連するその他のおすすめ資格もあわせて確認しておきましょう。

メンタル心理カウンセラー資格とは

メンタル心理カウンセラー資格とは、心理カウンセラー向けの民間資格のひとつです。入門用として取得する人が多い資格であり、これを足掛かりにして上級資格の取得を目指す人も多くいます。受験料も安価なため、最初に取得する資格として選んでもよいでしょう。

メンタル心理カウンセラーの概要を表にまとめます。

【メンタル心理カウンセラーの概要表】

認定団体日本能力開発推進協会
取得方法・協会指定の認定教育機関等のカリキュラムを修了すること
・カリキュラム修了後、資格試験に合格すること
試験日程随時
試験場所在宅
費用受験料:5,600円
認定講座受講料:3万8,600円
学習時間の目安約2ヶ月間
更新の有無なし

一般的な資格試験とは異なり、受験資格を得たあとはいつでも受験できます。また、在宅受験ができるため、気軽に受験できることもメリットです。くわしくは後述しますが、試験の難易度は比較的やさしいものの「カリキュラムを修了すること」といった条件がつくため、独学で試験に臨むことはできません。

メンタル心理カウンセラー資格の取り方・流れ

資格講座セミナー

メンタル心理カウンセラー資格の取り方を解説します。受験資格の取得から認定証の受け取りまでの流れは次のとおりです。

<メンタル心理カウンセラー資格の取り方・流れ>

  1. 認定講座を受ける
  2. 修了後「検定試験申込」を行う
  3. 自宅で試験を受ける
  4. 合否結果が届く

それぞれをわかりやすく解説するので、受験前に確認しておきましょう。

①認定講座を受ける

メンタル心理カウンセラー資格を受験するためには、認定講座における全カリキュラムの修了が必須です。まずは認定講座を受けて、心理カウンセラーとして必要な知識を深めましょう。なお、認定講座における履修内容(学習範囲)は以下のとおりです。

<カリキュラムの履修内容>

  • カウンセリングに関する基礎知識
  • クライエントに関する基礎知識
  • 心理学に関する基礎知識
  • 精神医学の基礎知識

くわしくは『メンタル心理カウンセラー資格講座の内容』でお伝えします。

②修了後「検定試験申込」を行う

認定試験修了後は、日本能力開発推進協会のホームページから「検定試験申込」を行いましょう。申し込み画面に必要事項を入力したうえで、認定校の教材に同封されている振込用紙にて、受験料の5,600円(税込)を振り込みます。そのまま協会側の確認をしばらく待ちましょう。

なお、受験料の振込先は以下のうちいずれかです。

ゆうちょ銀行から振込の場合・ゆうちょ銀行
記号番号:01320-6-1091165
加入者名:一般財団法人日本能力開発推進協会
ゆうちょ銀行以外から振込の場合・ゆうちょ銀行 一三九(139)
支店当座:0109165
加入者名:一般財団法人日本能力開発推進協会
もしくは
・広島銀行緑井支店
種別:普通
口座番号:3269212
名義:一般財団法人日本能力開発推進協会

③自宅で試験を受ける

自宅で資格試験を受ける様子

協会の確認が完了すると、試験問題が発送されていきます。これをもとにして自宅で資格試験を受験してください。出題される範囲は、先述した【カリキュラムの履修内容】と同じです。合否判定は得点率70%以上が合格ラインに設定されており、すべての問題に正答する必要はありません。

④合否結果が届く

合否結果は受験の約1ヶ月後に送付されます。合格できた場合は資格証が交付され、これは特定の期間が経過したあとに失効することがありません。更新不要で資格を保持し続けられるため、一生ものの資格として就職や転職、そして独立開業時の武器として生かすことができます。

メンタル心理カウンセラー資格講座の内容

資格講座を受ける様子

メンタル心理カウンセラー資格講座の内容をくわしくお伝えします。「資格のキャリカレ」における「メンタル心理カウンセラー資格取得講座」を受講した場合のカリキュラムは以下のとおりです。

【メンタル心理カウンセラー資格講座の内容】

テーマ詳細
心理学の世界を知る自己ストレスチェック
心理学の歴史
社会心理学理論
学習心理学理論
発達心理学理論
カウンセリングを知るカウンセリングとは
カウンセラーが守るべき理論
インテーク面接
来談者中心療法
ロジャーズ理論
積極的傾聴
カウンセリングルールを身につけるカウンセラーが守るべき領域
カウンセリングの時間
プライベートと仕事の枠
話しやすい環境を作る対応方法
信頼関係を結び直す対応法
開業方法を学ぶ開業までの流れ
カウンセラーの開業スタイル
コンセプトの作り方
カウンセリング料金を決める
収支計画を作成する

キャリカレでは、テキストと実践DVDを使いながら上記4つのテーマを学べます。また、自分自身がカウンセラー役になる「無料カウンセリング実習」の受講も可能です。勉強についていけなくなった場合は、専属サポーターによる700日間の長期学習サポートが付帯するため、これを使って理解を深めましょう。

メンタル心理カウンセラー資格試験の内容

資格勉強の資料とノート

メンタル心理カウンセラー資格試験の内容について、重要な3つの項目をピックアップして解説します。

<メンタル心理カウンセラー資格試験の内容>

  • 試験日程
  • 試験内容
  • 合格点

それぞれを順番にくわしく確認しておきましょう。

試験日程

メンタル心理カウンセラー資格の試験日程は不定期です。一般的な資格試験の場合「1年に1回」「半年に1回」など、決められた時間・決められた会場で受験をすることが一般的ですが、当資格ではそのような試験を行いません。受験資格を保有している方ならば、いつでも在宅で受験できます。

試験の申し込み方法は先述したとおりで、日本能力開発推進協会のホームページから申し込み手続きを進めて受講料を支払うだけで構いません。仮に不合格になったとしても、受験料を支払えば繰り返し受験できるため、諦めずに再チャレンジしましょう。

試験内容

試験内容は以下の4つです。

<心理カウンセラー資格の試験内容>

  • 心理学に関する基礎知識
  • カウンセリングに関する基礎知識
  • カウンセリング能力に関する職業能力

回答形式は主に筆記で、講座で使用したテキストを見ながら受験できます。資格試験の趣旨は知識と実践力が身についているかを問うものであるため、丸暗記は不要です。一般的な試験を苦手にしている人も安心して受験に参加しましょう。

合格点

出題された問題の正答率が70%を超えた場合に合格とみなされます。満点を取る必要がなく、先述したようにテキストを見ながら受験できるため、資格試験そのものの難易度は低めです。

ただし、合格点は一般には公開されていません。また、合格率に関しても非公開です。何点以上獲得できていれば合格になるのかは、受験結果が知らされるまでわからないため注意しましょう。

メンタル心理カウンセラー資格試験の難易度

資格試験の難易度

結論として、メンタル心理カウンセラー資格試験の難易度は低めです。これまでに解説してきたとおり、受験中はテキストを見ることができますし、在宅で受験できるため時間制限もありません。また、70%以上の問題に正答すれば合格とみなされるため、完璧な回答ができなくても資格が与えられています。

資格の難易度が低い理由は主に以下の2点です。

<メンタル心理カウンセラー資格試験の難易度が低い理由>

  • 理解度を高めるために行われている試験であるため
  • スキルアップを目的に行われている試験であるため

この試験は、受験者を落とすために行われているものではありません。実施目的は「理解度の向上」と「スキルアップ」にあると考えられます。そもそも、この資格は国家資格ではなく民間資格です。民間資格は日常や職場で活用できるスキルの習得のために行われるため、多くの受験者を落とす必要がありません。

メンタル心理カウンセラー資格は独学でも取得できる?

メンタル心理カウンセラー資格は比較的簡単に取得できる資格です。難易度が低い資格試験の場合、独学でも資格を取得できそうに感じます。しかしメンタル心理カウンセラー資格を独学で取得することはできません。

これは、受験資格のひとつに「認定講座の受講」が含まれているためです。市販のテキストを読んだり、インターネット上の情報から学んだりするだけでは、受験資格を得ることができません。大前提として認定講座を受講する必要があることから、この資格は独学で取得できないのです。

メンタル心理カウンセラー資格以外のおすすめ3選

メンタル心理カウンセラー資格おすすめをメモする女性

メンタル心理カウンセラー資格以外の関連資格としては、以下の3つの取得をおすすめできます。

<メンタル心理カウンセラー資格以外のおすすめ3選>

  • メンタル士心理カウンセラー®
  • メンタルケア心理士
  • メンタルケアカウンセラー

試験の特徴を確認していきましょう。

メンタル士心理カウンセラー®

心理学の基礎知識のほか、ストレスにより引き起こされる症状と、その症状への対処法をマスターしていることを示せる民間資格です。

【メンタル士心理カウンセラー®の概要表】

認定団体日本メディカル心理セラピー協会
独学可能
取得方法試験において70%以上の評価を獲得する
費用1万円
学習時間の目安約2ヶ月間
更新の有無なし

ストレスへの対処法に特化した知識を吸収できることがメンタル士心理カウンセラー®資格の特徴です。ストレスはあらゆる業種に従事する人物にとって避けられないため、活躍できる場は医療機関から介護施設、学校などさまざまです。

<メンタル士心理カウンセラー®資格の取得方法>

  • インターネット上で試験に申し込み、在宅受験を行う
  • 70%以上の評価を獲得すると資格を取得できる

メンタルケア心理士

メンタルケアに関する専門知識を持ち、カウンセラーとして活動できる能力を備えていることを証明する民間資格です。

【メンタルケア心理士の概要表】

認定団体・メンタルケア学術学会
・生涯学習開発財団
・ヘルスケア産業推進財団
独学不可能
取得方法・こころ検定2級に合格すること
・メンタルケア学術学会指定教育機関で教育課程を修了すること、
もしくは認定心理士等の資格を保有していること
費用5,600円
学習時間の目安約4ヶ月間
更新の有無なし

後述する「メンタルケアカウンセラー」と比べるとやや難易度が上がります。高度な知識と技能を有する人に与えられる資格なので、医療機関や教育現場、福祉施設などで資格を生かすことが可能です。また、3つの認定団体により交付されることも特徴といえます。

<メンタルケア心理士資格の取得方法>

  • メンタルケア学術学会指定教育機関で教育課程を修了する
  • こころ検定2級に合格する
  • 上記2つの条件を満たすことで自動的に資格を取得できる

メンタルケアカウンセラー

メンタルケアに関する基礎や心の病気に関する知識、カウンセリング技術などの初歩を押さえていることを証明できる民間資格です。

【メンタルケアカウンセラーの概要表】

認定団体・メンタルケア学術学会
・生涯学習開発財団
・ヘルスケア産業推進財団
独学不可能
取得方法レポートを提出し、修了認定テストに合格する
費用5,600円
学習時間の目安約3ヶ月間
更新の有無なし

講座の受講中にレポートを複数回提出し、修了認定テストに合格することで、自動的に資格が交付されます。取得の難易度が極めて低いため、これだけで就職・転職を実現させるのは難しいものの、ステップアップ・キャリアアップの第一歩として取得すると便利です。

<メンタルケアカウンセラー資格の取得方法>

  • テキストを使って学習し、添削課題で一定の成績を残す
  • 修了認定テストを受験して合格すると資格を取得できる

まとめ

心理カウンセラーに関連する資格の難易度は、資格の種類によって大きく異なります。難易度が低いからといって権威が低いわけではありません。それぞれの資格を生かして働ける場所が変わるため、働きたい職場で求められる資格を取得しましょう。バランスのよい資格としては、メンタルケアカウンセラーの取得がおすすめです。

メンタルケア心理士とは|独学でも取得できる?難易度や取得の流れを解説

実際に心理カウンセラーを目指したい方におすすめの通信講座2選

今回は初心者でも在宅でプロの心理カウンセラーを目指せるおすすめの資格通信講座を二つご紹介します。

①「あなたに最適な資格が13種類から見つかる」諒設計アーキテクトラーニング

心理カウンセラーに関する13種類もの資格取得が可能なため、カウンセリングの方向性が明確な方におすすめの講座です。 例えば、子どもや夫婦・家族を相手にした心理カウンセラー資格など対象者に合わせた資格取得講座から、音楽療法が学べるメンタル心理ミュージックアドバイザーなどのカウンセリング方法が異なる資格講座まで幅広く選択することが可能です。 また、試験免除講座や個別指導も準備されているので忙しい方やしっかり学びたい方でも安心して受講できます。

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心理カウンセラー資格取得の通信講座

②「女性のための資格通信講座」SARAスクール

日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP)や日本インストラクター技術協会(JIA)認定校のこちらは、『すべての女性は輝ける』をテーマにした”女性のための資格通信講座”で、 心理カウンセラーを目指す女性におすすめです。 また、心理カウンセラー資格では講座を受講し課題を提出するだけで資格取得が可能というプランもあり、安心して受講できるのも魅力の一つ。 完全在宅のみで最短1か月で2つの心理カウンセラー資格が同時に取得できるため、仕事や家事・育児に忙しい方でも取得しやすい環境になっています。

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心理カウンセラー資格取得の通信教育講座

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